2008年からスタートした「PGAティーチングプロアワード」は今年で13回目の開催を迎えた。ティーチングプロ会員の資質の向上を目的としたアワードは、新たなレッスン理論を日々研究し、実践する会員の優れた成果を表彰している。2022年1月19、20日の2日間、東京にある千歳ゴルフセンターで23名が第1次審査に挑んだ。審査の結果、河邊雄一郎(かべ・ゆういちろう)(A級)、中村英美(A級)、草場翔(B級)の3名がファイナリストに決定。最優秀賞を決定する最終選考は、今春ネット投票を含む一般公開で行われる予定となっている。
■ 第1次審査ハイライトは こちら>> ※youtubeチャンネル
尚、ファイナリスト3名は、3月に横浜で開催するゴルフフェアのPGAブースで特別レッスン講師に登場する予定。レッスンを希望する方は、当日PGAブースまで直接お申込みください。
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●河邊 雄一郎
(40歳・ティーチングプロA級 所属:Y’s Golf Lab)
「クラブヘッドの軌道修正法 〜下半身(腰)のリードでOUT→INからIN→OUTへ!!」
成人になってゴルフを始めたお客様の約75%のスイング軌道が、OUTーINになっていることに着目しました。
なぜそんなにたくさんの方々のスイング軌道がOUTーINになっているのか?それは、スイングを上半身に頼りすぎているからです。上半身の力に頼ったスイングだと、トップから切り返しで利き手に力が入り、ボールを打ちにいく意識が強くなって、クラブと一緒に利き手側の方も前に出てきます。その結果スイング軌道もOUT−INになると考えられます。
そこで私が考えた指導が、自作のベルトを使った指導です。このベルトにはペンライトが付いていて、ライトの光で下半身リードが体感できます。インパクト時に肩と腰のラインの「ズレ」を体得できるのと同じです。このベルトは、インパクト時の骨盤の前傾姿勢も一緒に練習できます。下半身リード(腰)は、全てのゴルファーに重要なポイントだと考えます。
●中村 英美
(40歳・ティーチングプロA級 所属:V・J・Golf)
「シンプルかつ再現性の高いスクエアなインパクトでゴルフをより楽しくする
〜クラブフェースの動きの可視化で自身の感覚とのギャップを埋める」
方向性の改善は、ショットの精度やスコアアップにつながります。PGA教本に「ボールの飛び方はインパクトで決まる」とあるように、方向性はスクエアなインパクト、つまり正しいフェースの向きでインパクトを迎えることが不可欠です。
そこでフェースの動きを可視化できる、スクエア・アシスト・トライアングル(SAT)を考案しました。このSATを手元に装着することでフェースの動きを可視化し、スイング時のクラブの動きを確認でき、正しいスイングへと導きます。
SATを使って練習することで、「知覚→認知→運動」のサイクルを確認することが可能です。シンプルかつ再現性の高い効率的な練習は、正しいインパクトからスムーズなスイングへと実現させることができます。
●草場 翔
(39歳・ティーチングプロB級 所属:アールイーゴルフスクール)
「飛距離アップのメカニズム 〜重心位置とそれに伴う動きの違いについて」
私がレッスンする中で感じていたことは、これだけ多くのゴルファーが飛距離を望んでいるにも関わらず、未だに効果的なトレーニング方法が確立されていないという無力感でした。多くのゴルファーに飛距離を届けたい、そんな想いで開発したのが練習器具「素振り棒リバイバー」です。
飛距離アップの近道であるヘッドスピードを速くするためには、速筋を鍛える必要があります。それには軽量の素振り棒が必要となります。速筋を鍛えるだけでなく、従来の素振り棒で見られたフェース面を意識できないという、ゴルフスイングへの悪影響を最小限に抑えています。この器具のポイントは軽さと重心位置です。重心角を有することで、正しいフェースターンを自然に身に着けることも可能になります。
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特別賞
●林 義弘
(85歳・TP−A 所属:フリー)
「ゴルフスィングの謎を解明する 〜プロとアマ、その最大の違い、その秘訣とは」
ボールに対してヘッドがどのような軌道で動くかで、ボールの飛び方には差異が出ます。ヘッドの動きが最重要であり、スイング理論はそれを達成するための方法論だと言えます。スイングは多岐にわたっていますが、今回私はダウンスイングからインパクトへの動きについて考察しています。
プロとアマの最大の違いは、下りてきたヘッドをアウトサイドインに切り替えることができない点にあります。この切り替えをスムーズに手助けしてくれるのが、数年前に特許を取得した「R884」です。視覚を利用して左へ振り抜けるように制作した練習器具です。左への切り替えができれば、日本のアマチュアの方々が本当の意味でゴルフの楽しさを満喫できることでしょう。