2005全米プロシニア視察報告
2005全米プロシニア選手権から学ぶコースセッティング
全ての選手に公平でフェア、そしてギャラリーが喜ぶセッティング!
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PGA理事・競技運営部会部長 船渡川育宏
去る5月、全米プロシニア選手権視察のため長田力会長、松井功理事、斉藤事務局長らとペンシルベニア州ローレルバレーゴルフクラブを訪れました。私は日本PGAの理事、運営部会部長として、また1プレーヤーの立場からも、主にトーナメントのセッティングについて見聞して参りました。シニアツアーの日米の違いなど、私が感じたことの一端をご報告いたします。
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セッティングについてお話する前に、私が今回の全米プロシニアに行って一番驚いたことがあります。土曜日の3R目が雨でサスペンデッドになって日曜日の朝を迎えたときのことです。早朝から霧が深く予定通りのスタートができず、最終ラウンドは急きょアウト、インのスタートに。組み合わせも時間がないために成績順に行わず3Rと4Rも同じ選手がそのままプレーすることになった。
そのために青木功プロ(3Rはプレー終了していた)は前日予定されていた6時55分スタートが10時45分に変更となった。青木プロはじめ多くの選手は早朝5時にはコースに来ていましたから6時間近く待たされたわけです。テレビ放映時間を最優先に考慮し、ルールズと打ち合わせた結果とのことでした。
私がPGAの役員に「選手にはどういった説明をするのですか?」と尋ねたところ「別に何もない。ソーリーとだけ言います」と、両手を広げ肩をすぼめただけでした。テレビ放映と、いかに72ホールをやって終了させるかのためには関係する全員が協力すべきという考えでした。それによってスポンサー収入も得られるのだということでしょう。
日本でもし同じようなことが起きたらそれなりにはやれるでしょうが、もっと慌てるでしょう。その間わずか5、6分だったでしょうか、運営サイドのてきぱきとした対応と、決定したことに対して選手はただ仕事をするだけという態度が全然違うと感じました。
コースセッティングについては、グリーンの速さは3・2ミリくらいかなと見ていたのですが、データを見せてもらったら2・73ミリでした。これには驚きました。ティーグラウンドも6・25ミリでこれはちょっとしたグリーン並み。
フェアウエーは12・5ミリということでしたが、これは日本ではティーグラウンド並みの刈り込みです。ラフは87・5ミリでしたがフェアウエー幅は40ヤードはとってありました。ラフからの脱出も含めて向こうの選手のアイアンは、大型ヘッドのキャビティでなく、小ぶりでソールの長さの短いキャビティが多かった。その方が向こうの芝には抜けがいいのだと思います。
グリーンの刈り高は日本では3・3〜3・5ミリが一般的で昔に比べれば随分速くなりましたが、米国などと比べるとまだまだ違うかなという印象でした。 刈り高よりも私が関心を持ったのはグリーンの硬さです。今回はコンパクションの数値が出ていませんでしたが、ほとんど9・5とか10・0程度の硬さだったと思います。コンパクションを硬くし過ぎてピンデッドにきたボールがグリーンを外れることのないようなセッティングでした。
またこの程度の硬さですとどんなところにもピンが切れます。パッティングをすると速いけれどもショットは止まる。バックスピンでピンに寄ってくる。ピンそばに打ってきたショットがスパッと止まる。こうした映像がテレビに映ればファンは喜びます。速くするのは刈り込めばいいのですが、硬くパンパンにしてピンデッドにきたボールにご褒美がないなんておかしいんです。不公平です。
それにコロコロ転がってグリーンを外れてしまうショットばかりを映像で見せられて何が面白いのでしょうか。言葉は悪いかもしれませんが、日本は失敗するのを楽しんでいるが、アメリカはうまくいった人を褒めていると感じました。シニアツアーはコンパクションは10以上にはしない、といったような取り決めをしてもいいと思います。エキサイティングに見せるためには、速ささえあればそれでいいと思うのです。
最近アメリカでもシニアツアーの距離が長くなる傾向にあります。今回の全米プロシニアも7、078ヤードのパー72でした。いまやシニアも7、000ヤード時代に突入といった感があります。アメリカでは長くなった分、5Wとかロングアイアン、ユーティリティで狙っていってもさきほど述べたように止まるグリーンを作っています。ただやみくもに長くすると選手はケガをしてしまいます。何番で打ってもピンを狙っていけるセッティングなら、飛ぶ人も飛ばない人にも公平です。
硬くしてしまえば飛んだ人の勝ちになってしまう。飛ばない人はグリーンを外してボギーにしたくないから真ん中に打って2パットでくるのです。これでは見ていて面白くもなんともありません。セッティングをする側がもう少し意識を変え、協会としても試行錯誤し勉強して演出を考える必要があると感じました。何のためにコースを長くするのかということです。
今回、全米プロシニアのセッティングを見ていると優勝スコアが予測できました。私は6アンダーくらいと思ったのですが、雨の多い地方で一日は降りましたが3日間は晴れた分、8アンダーになったと思います。4日間のピンの位置は、ここだろうなと思うところに切ってくる。アンジュレーションのあるグリーンでも必ず平らな部分にピンがくる。PWで打ってきても3Wで打ってきても止まるところです。だれにも公平でフェアに設定しているのでスコアの予測もできたのです。
今回の全米プロシニアの視察では感じたこと、勉強になったことは多々ありましたが、その基本はすべての選手に公平でフェアなコース設定であるということです。そしてファンが喜ぶセッティングを演出することが特にシニアツアーでは必要であることも痛感した次第です。
全米プロシニア選手権会場で青木功プロにゴルフ殿堂入り記念リング贈呈!
PGA広報担当理事・松井 功
日本プロゴルフ協会は2004年11月、日本人2人目の世界ゴルフ殿堂入りを果たした青木功プロに、その栄誉を称えた記念リングを贈ることを決定していましたが、5月24日、青木功プロも出場した第66回全米プロシニア選手権の行われた米・ペンシルベニア州のローレルバレーゴルフクラブにて長田力会長、船渡川育宏理事、斉藤正久事務局長と私・松井功が出席して、青木功プロへの贈呈式を執り行いました。
贈呈式を米国で行うことになったのは、米国シニアツアーで戦っている青木功プロが出場する最高の舞台である全米プロシニアがふさわしいと考えたからです。
2年前の03年にもEMCワールドカップ2002で優勝した伊沢利光、丸山茂樹両選手に全米プロ選手権の会場(ニューヨーク州オークヒルCC)で同じく優勝リングを贈呈しました。それに続いて2度目のセレモニーでしたが、米国プロゴルフ協会は今回も非常に協力的で、メディアセンター内のインタビュールームをわれわれのため、青木功プロのためにセッティングしてくださいました。
日本からのメディアは少数でしたが、米国をはじめ世界のマスコミ、地元のTVも参列してくれ、また全米プロシニアに日本から出場していた友利勝良、中尾豊健、福沢孝秋、佐野修一ら練習ラウンドを終えたプロも顔を揃えて花を添えてくれました。米ツアーの1選手として、また優れたインターナショナルプレーヤーの一人として青木功プロが高い評価を受けていることを改めて実感しました。
長田会長から豪華なリングを手渡されたとき、思わず涙ぐむほど感激に浸っていた青木功プロを見て、こういう会場まで出向いて贈呈してよかった、リングの重み、価値が一層引き立てられた、と確信しました。
記念のリングは18Kイエローゴールドのティファニー製で、丸みをもたせたスクエアフォルムの中央に青木功選手のロゴを記し、26石のダイヤモンドの輝きで包み込んだデザイン。さらにその周りを囲むように「WORLD GOLF HALL OF FAME 2004」と文字が刻み込まれています。全面的に協力していただいたPGAオブアメリカ(PGAA)に感謝するとともに、ウォーレン会長との面談では「今後も日米PGAの協力関係をさらに深く構築していくこと」を話し合い、有意義な訪米になりました。
贈呈式を終えた私は、プレスセンターはじめメディアへの対応などをつぶさに見聞してきましたが、プレスセンターの立派さもさることながら、大会前の選手インタビューの設定、細かいデータや情報の徹底したリリース。すべての情報発信の基地として、日本でもプレスに対する気配りはもっと充実させていかなくてはいけないとの思いも強くした次第です。
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