PGA REPORT 86
PGA REPORT86 2005/4 No.86
2004ティーチング&コーチングサミット参加報告
PGAサミット講座から
スポットライト PGA理事・競技運営部会部長を努めながらシニアツアーに初参戦する船渡川育宏(フリー)
レッスンは楽し! 淵脇常弘(ミズノゴルフスクール・フィールドクラブマスターティーチャー/PGAティーチングプロA級会員)
2005 PGAマネジメントプログラム

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スポットライト
PGA理事・競技運営部会部長を努めながらシニアツアーに初参戦する 船渡川育宏(フリー)
シニアツアーの新たなる黄金時代を呼び起こす!
船渡川育宏 昭和30年4月15日生まれの船渡川育宏(やすひろ)プロは、今年の誕生日で50歳を迎えた。
今季も5月に開幕するシニアツアーに最初からフル参戦する。

レギュラー時代には86年のVISA太平洋クラブマスターズ(太平洋御殿場)でラリー・ネルソン(米国)、ジャンボらを抑えて優勝。88年にも同大会で2位に入るなどT太平洋の船渡川Uともいわれた。青木功ファミリーの一員でもある船渡川プロは現在、PGAの理事であり競技運営部長の要職にあって日本プロ選手権の運営をとりしきる立場にもある。
久々にトーナメントに挑む船渡川理事に現在の心境を聞いた。
船渡川育宏
──まずは50歳の誕生日、おめでとうございます。船渡川プロはレギュラーツアーを“卒業"されてからはPGA理事としてお忙しい日々を過ごされていますが、シニアツアーの出場権を得たことで再びプロとしての情熱もよみがえってきましたか。
船渡川育宏プロ(以下船渡川)「理事になってもう6、7年になりますかね…。事業企画部などを経て、03年からいまの競技運営部会に移りました。この部署の主な仕事は日本プロの運営で、これは想像以上に大変です。従って真剣にやる自分のゴルフのほうはしばらく遠ざかっていたのが現状ですが、たまたま誕生日が4月で、5月から始まるシニアツアーにフルに出られるというので一つやってみようかと…」

──そのシニアツアーのことはあとで伺うとして、まず競技運営部長の立場から日本プロの運営についてお話いただきたいと思います。
船渡川「私は03年の美浦(茨城)の日本プロから担当になり昨年の黒潮(高知)、そして今年は玉名(熊本)と3年目になります。一から十まですべてを私がやるのは今年の玉名が初めてです。試合はディレクターと競技委員とでコースのセッティングをしますから私はそれを最終的に確認することと会場の準備、また何かトラブルがあったときに出て行って謝罪したりするのが役目です(笑い)。私もずいぶん現役でプレーしてきましたが準備の方が大変です。選手の方がずっと楽ですね」

船渡川育宏
──美浦のとき、黒潮のときと、このところ日本プロはなぜかトラブルが続きましたね。
船渡川「美浦では初めてプレーイングマーカーとして選手数が奇数になる3日目と最終日に、私がプレーするハメになりました。普通はそのコースのクラブチャンピオンに依頼するのですが、美浦にはクラチャンがいないということで急きょ私がかり出されたというわけです。2日間早朝5時出勤し、自分でピンの位置をチェックしたあと自分で打っていったんです。まさに前代未聞でした。  黒潮のときは悪天候が続き、歴代初めて54ホールに短縮せざるを得ない事態になり大変でした。天候のことは仕方ないとしても、結果として72ホールができなかったのは私のほうのミスといえばミスでした。選手からも72ホールをやりとげるべきとの声も上がっていましたね…。今後の運営上いい経験となりました。今年の玉名ではもちろん予備日はとってありますし、万全を期しています」

船渡川育宏
──ピンポジションについて伺います。最近は昔に比べて非常に厳しい位置に切ってあったり、選手からクレームが出たりするケースもあります。競技運営部長としてのお考えは…?
船渡川「私が若かったころはたまにアンフェアーなピンポジションもありましたが、最近はそんなことはないと思います。ピンそばに落ちたボールがUターンしてしまうとか、マウンドの向こう側にピンがあるとか、そういうアンフェアーなピンポジションは、少なくとも日本プロに限ってはなくしています。  競技委員、ディレクター、運営と総勢7〜8人がチェックした中でのピンポジですから、まず間違ったところにはいかないだろうと思っています。また、たとえグリーンの端っこでもカップを切る周辺は平らなところを選びます。打っていくクラブが私らの時代は4番か5番アイアンだったのが、いまは7〜9番で打っています。端っこでもエリアさえ確保してあげれば必ずしも難し過ぎるとはいえないでしょう」

──確かにセカンドショットのクラブが以前とは大きく変わりましたね。
船渡川「セカンドショット地点から決めていくIPも95年くらいまでは250ヤードでしたが、いまは280ヤードに変わっています。従って昔よりは思い切ったピン位置を決められることは確かです」

──グリーンの速さ、硬さはどうでしょうか。
船渡川「速さだけなら米ツアーより速いかも知れませんよ。日本も負けていません。日本プロは3.2ミリにしますからね。いまはほとんどがサンドグリーンでいくらでも速くしようと思えばできるのです。でもピン位置や硬さ、速さなどムチャなものはありません」

船渡川育宏
──IPポイントが280ヤード地点になっている現在ですが、アメリカでは3月のフォード選手権でタイガー・ウッズが603ヤードのパー5のホールをドライバーで320ヤード、3Wで280ヤード飛ばし2オンしてイーグルをとりました。飛ばすこととコースセッティングの関係をどう考えますか。
船渡川「あれは凄かったですね。600ヤード超を2つでいくなんて、プロでも夢ですね。私らだと3打目がまだ180ヤードくらい残るでしょう。力に勝る武器はないともいえますね。しかし同じタイガーが昨年秋、宮崎のダンロップフェニックスで勝ったときはアイアンでのティーショットも多くて平均ドライビングディスタンスが255ヤードしかなかった。そのタイガーに大会レコードで勝たれてしまった。やはり2打目からが違うのとコースマネージメントがちゃんとできているのでしょう。  コースセッティングもイージーにはできませんし、一方で日本の選手も組み立て方などをもっと考える必要があると思いますね」

船渡川育宏
──船渡川プロは太平洋クラブマスターズ(御殿場)で86年に優勝、2年後の88年にもセベ・バレステロスに次いで2位になっています。御殿場には強かったですね。
船渡川「ほかは大したことないのに1年を4日で暮らす男なんていわれましてね。勝ったときもシード入りぎりぎりで戦っていまして初日、2日目と調子もそんなによくなかったんです。ところがかろうじて残った決勝の3日目の朝、調整を頼んでいたプロギアのドライバーが届いたんです。当時はパーシモンヘッドでした。少し軽めのそれを使ったら自分に合ったのか驚くほど飛びました。いまでも忘れませんが、1番ホールでは一緒の組だったジャンボを50ヤードもアウトドライブしました。2日間飛びまくったことがすべてでしたが、パターも神がかり的に入りました。御殿場は不思議にラインが読めるんですね…」

──船渡川プロは青木功ファミリーとしても知られていますが、青木プロからは何を教わりましたか。
船渡川「私は79年のシーズン前、知人の紹介で青木プロがやっていた東ノ宮CC(栃木)でのトレーニングに参加させてもらった押しかけ弟子です。いろんなことを教わりましたが、パターが下手な私に青木さんは「練習日に全部のグリーンで、どこのピンに対してどこに乗せればやさしいラインになるかよく見ておけ」といわれました。パッティングは力加減以外のことなら練習で変えることはできても、力加減だけは練習してもそうはつかめないことも分かりました。グリーン周りからのショートアプローチも青木さんのショットを見て勉強しました。バンカーと寄せなら、私のゴルフの中に青木さんが入った私プラス青木功で私の方が上手いと思っていますが、青木さんはそのあとがめちゃくちゃ上手いから太刀打ちできません」

船渡川育宏
──ところで今年からPGAの理事と二足のわらじでシニアツアーに登場するわけですが、意気込みのほどを聞かせてください。
船渡川「意気込みなんてないですよ。主催者へのご挨拶が中心になるかも知れませんし、恥をかきにいくだけでしょう。練習も特別にはやっていませんしね。ただシニアツアーも昨年の飯合肇、中嶋常幸、尾崎健夫、友利勝良プロに続いて今年は藤木三郎、後半から倉本昌弘、室田淳プロらもシニアに入ってきます。低迷が続いていたシニアツアーにもやっと活気が出てきましたから、私もちょっと頑張ってみるつもりです。シニアでは来年のことはあまり考えていませんから、イチかバチかでやれるのはいいですね」

──同じPGAの理事で副会長でもある中尾豊健プロが、昨年のアデランスウェルネスオープンで見事な優勝をされました。船渡川プロも是非それに続いてください。最後にもうひとつお聞きします。船渡川プロは障害者ゴルフにも力を貸しておられますね。
船渡川「オートバックス東京フィランスロピーオープン(若洲GL)としてPGAが主催し、今年の秋で第7回目を迎えます。私が大会運営委員長をやっています。テレビの企画ではありましたが、目隠しして打つ体験ゴルフもやってみました。ところがナイスショットを連発してNGばかりでした(笑い)。目が見えないとプロでも難しいというのがテレビの狙いでしたから…。でも、ティーグラウンドに上るときにつまずき、フェアウエーのくぼみでは足をとられて転び、使わない神経を使ったものだから後頭部が痛くなって、僅か3ホールで終わったあとは1時間動けませんでした。  打っているうちに、目隠ししていてもボールがあるのは分かるのですが、力んで打ってはダメですね。しかし障害者の方は加減したショットはできないようです。とにかく障害者の方のゴルフへの取り組み方は、ハンディキャップを乗り越えてやるだけにプロも顔負けの命がけの部分もあって頭が下がります。東京フィランスロピーでは300人以上が応募し抽選で上位120人を選んで18ホールの競技を行います。優勝スコアはアンダーパーです。凄いでしょう。これからもさらに充実させていきたいと思っております」

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