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ゴルフの古い文献の一つに「アート・オブ・ゴルフ」がある。それによると、ゴルファーの目的は技術向上であり、それは昔も今も変わっていない。私たちは生徒の目標は何かを正しく理解し、どうしたらその目標に近づけられるかを常に考えていかなければならない。
アーニー・エルスはスイングのリズムや流れの素晴らしい、大きな才能を持った選手だ。彼は、非常に感覚的なプレーヤーで詳細なアドバイスは必要としない選手である。必要以上にアドバイスをするとかえって混乱してしまうタイプだ。
エルスのスイングをひと言でいえば、下半身がしっかり安定している。安定性は非常に大切で、踵を上げ下げして打つより地面をしっかり踏みしめた方が、ボールコンタクトも正確になり飛距離もでる。
一つの指導方法だけでは、全てのゴルファーに対応できない。
良い指導をするには、生徒一人一人を理解し、理論的または実践的に、ときには理論プラス実践を組み合わせるなど様々な方法を用いなければならない。生徒が抱える課題をどこから手をつけたら最も効果的か、よく見極めることが大切で、この順序を間違えると上達どころか遅らせるだけである。とおり一遍の指導では、いろいろな癖を持ったゴルファーに通用しないのである。
正しいスイングをするには正しい姿勢(セットアップ)が必要である。アドレスのとき、手を前に出して構えればスイングはフラットになり、体に近づけて構えればアップライトになる。
また、繰り返し同じスイングをするためには、手の力を抜いてクラブの重さを感じることが大切で、クラブヘッドが同じところを通りやすくなる。2本指で摘むようにクラブを握ると、より簡単に重さを感じることができる。(現在レッドベター氏から指導を受けている2001バイロンネルソン・クラシック優勝者がゲストとして登場し、指導を受けるようになった経緯を次のように話した。「トーナメント優勝前後は勢いがあり、自己流だが何をやっても上手くいった。しかし、時が経過するにつれ少しずつ狂ってきて、以前のような感覚でプレーできなくなった。今後のプレーをよくするためにも、自分の技術がどんな状態かを知ることが必要なので指導を受けている。周りからの評価もいいようだし、このまま続けていけばいい結果がでると思う」)
(※この後、レッドベター氏は次のような道具を使いながら、指導について説明した)
(1)踏み板(傾斜を演出するため足の高さを調整する)
(2)バランスボール(足で乗る)
(3)チューブ(体の各部分を引っ張ったりして負荷をかける)
(4)T字の棒(体の一部を押さえ、指導する)
(5)その他(プレーンを示すためのシャフトなど)
一般のゴルファーは、一つ技術を学ぶと非常に嬉しいものだ。しかし、決して一つの方法だけを押し付けてはいけない。そのためにもレッスンは、アイディアを生かして、いつでも興味深く楽しいものにしなくてはならない。整理された教材を用意し、小道具などを使って楽しく受けられるようにするべきである。
人を指導するためには、自ら学ぶ姿勢を忘れてはいけない。指導者は学び続けなければならないし、これ以上学ぶことがないということはないのである。
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彼女は2003PGAツアーのグレーターハードフォード・オープンに女性として58年ぶりに出場したことで有名だが、指導者としてもかなりの実績を持っている。
「昔は女性指導者からレッスンを受けるゴルファーはほとんどいなかった。最近は増えてきたが、それでも女性ゴルファーの多くが男性指導者からレッスンを受けている。だから女性を指導する上で最低限必要な知識を伝えたい」と女性指導者ならではの立場から、サミットに参加している指導者たちに提言した。
【女性の特徴】
(1)家庭を持っている。
(2)短時間でシンプルに教え込むことができなければならない。
(3)家庭のことがいつも頭にある(迎え、食事など)。
(4)女性はビデオで吸収する(眼から)。
(5)バストがある。
【指導のポイント】
・左腕をバストの上に乗せるようにし、右腕は横から添える(男性指導者はバストの存在を忘れないようすること)。
・バストがあるので左手グリップがウィークになりやすい。
・男性の指導者は、女性に触れるときは「これから〜を触ります」と言い、気持ちの準備させる。
・用具などを使用して、視覚的に理解ができるように。(長いシャフトのクラブを用いグリップがダウンスイングでどこを差しているか確認するなど)
・緊張しているときは、ティーアップを高めにする(少しずつ低く)。
・当たりが悪くなったら一度離れて、良い時のスイングをイメージさせてやる。
・何をやっても上手くいかない時は、クラブを逆さに持って音を鳴らすように振ってみる(感覚をとりもどさせる)。
・手をトップの位置に持っていくことが大切ではなく、スムーズに振ること。
・左肩に力が入りやすいのでリラックスさせる。
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教えることが全て正しいこととは限らない。体が回転し、腕がどのように振られ、クラブフェースがどのように動いているか。基本は同じだが、それぞれの体格やスイングによって少し違う。ゴルファーそれぞれのスイングには個性があるということだ。
指導場面でグリップを変えることは、とても勇気がいる。ほとんどのゴルファーは、それまでの調子を落とすことになるからだ。しかし、よりよいスイングを覚えるためには正しいグリップを実践することが大切である。それができたら、教える内容はどんどん発展し、必ず上達する。
「生徒たちがプレッシャーの中で上手にプレーするにはどうしたらいいか」「私たち指導者の教える内容は本当に効果があるのか」「コミュニケーションのとり方はどうか」どれも指導するときには、気にかけていなければならないことである。私たちは、生徒たちに何を分からせるかという目的をはっきり持ち、日々教える技術を磨かなければならない。
最近では、いろいろなゴルフ雑誌から多くの情報が得られるが、気になるのはツアープロが実践している技術的な記事が多い点だ。プロレベルの技術論が一般のアマチュアの人たちにとって効果があるかどうかは疑問だ。
一般のゴルファーはゴルフスイングを改善することが上達だと考えている。正しいスイングを身に付けることは上達する一つの方法なのだ。そしてスイングは型にはめ込まず、各々のゴルファーに合わせなければならない。ゴルフの最終目標はスイングを良くするのではなく、スコアを上げることであり、それをゴルファーに意識させることが大切である。
スイングは上下(腕)左右(脚)回転(肩・腰)の動きで3次元の世界で行われている。身体の大きな動きにとらわれてしまうが、手、腕でスイングすることを忘れてはいけない。腕でクラブを振り戻すことを考えると、肩がコントロールされ、腰や脚が動く。
「ゴルフでは、眼、腕、脚が重要な役割をする」(B・トスキ)眼は目標を見て、情報を入れる。腕はクラブの重さや動きを感じる。脚は上体を安定させるためにしっかり地面を踏んでいる。だからこれらが揃ってこそスイングが成功する。
指導者が教える技術を向上させるためのポイントとして以下のことを掲げた。
(1)適度な情報量
情報は常にレベル相応でなければならない。情報量が多すぎると、混乱してしまう。教えることは利点でもあり、欠点でもあることを認識しておく。
(2)肉体的、精神的に負担をかけない緊張感のない教え方
スイングするとき、体の各部分を動かす正しい順序を教えること。全体としてプレーしながら楽しむことを教える。指導内容は難しくせず、シンプルに。
(3)正しいセットアップがスイングの基礎
良いスイングをしてもクラブを振る方向が正しくなければ無意味である。ボールの飛ぶ方向を決めるのが指導者の仕事。
(4)柔軟性がある教え方
一人一人要求が違うので、それぞれに対応する。決して同一な教え方ではいけない。それぞれ個性(体格、スイングのタイプ)があるから、それを見極め、見合った教え方をすること。一つの問題を解決するためには、多くの手段が必要である。
(5)プレッシャーのかかる場面をどう克服させるか
プレー中、ゴルファーは何らかの精神的圧力を受け続けている。これを回避、克服させるにはどうしたらいいかを普段から考えておく。
(6)コースのラウンド方法を教える
スイングの特徴を考慮し、ラウンドに向けての指導計画をあらかじめ立てておくことが必要。(スイングを改善させるだけで、スコアメイクする方法を教えない)
(7)生徒の体力に応じた教え方
必ずしも、ツアープロのスイングが一般アマチュアに合うわけではない。
(8)プレー(競技)中の精神状態を教える
練習量や環境によっても違うが、あらかじめ準備させておく。
(9)教える技術を向上させる気持ちがあること
指導者の一方通行な教え方が、生徒の上達を妨げないようにしなければならない。注意深く普段から情報を集め、アイディアを持って接する。『生徒を楽しくプレーさせることを誓います』という気持ち。
(10)ゴルフを社会に普及させる
多くの人たちにゴルフの良さを伝え、1人でも多くのゴルファーを育てる。
最後に「教えるだけでなく、指導者は自らゴルフを愛することが重要である」と締めくくった。
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