■スポットライト 久保谷健一(キャロウェイゴルフ)
■“青木ファミリー”日米欧ツアーで大活躍
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“青木ファミリー”日米欧ツアーで大活躍
 5月下旬の2週間は“青木ファミリー”が世界中で大活躍する“アオキ・ファミリーズ・ウィーク”となりました。“御大”の青木功(59)=アメックス=は5月19日、米国ニュージャージー州で行われた米シニアツアーのインスティネット・クラシックで4年ぶり、通算9度目の米シニアツアー優勝を飾り、青木を師と仰ぐ海老原清治(53)=ザ・CCグレンモア=は、同日大西洋をはさんだアイルランドの欧州シニアツアー、アイルランド・シニアオープンを制覇、昨年に続く2年連続優勝を飾り米欧両シニアツアーを日本人が同時制覇するという快挙を達成しました。
 “青木ファミリー”にとって朗報はそれだけに留まらず、翌週日本で行われたPGAシニアツアーのキャッスルヒルオープンでは千葉県・我孫子中学時代のクラスメート、鷹巣南雄(59)=ザ・鹿野山CC=がシニア入り10年目で念願の初優勝を飾るという“青木一家”にとっては嬉しいニュースの連続となりました。
 欧州シニアツアーのアイルランド・シニアオープンで2連覇を達成した海老原は、優勝賞金46、500ユーロ(約558万円)のなかから10、000ユーロ(約120万円)を地元の子供たちのチャリティー基金として寄付するという心温まるニュースも“青木ファミリー”の活躍に彩りを加えました。
ジム・ソープに逆転勝ち、青木の国内外優勝回数は75勝に
 青木の4年ぶり、通算9度目の米シニアツアー優勝の舞台は、米国ニュージャージー州のTPCジャスナポラナで行われたインスティネット・クラシックです。2打差3位でスタートした青木は、1番のバーディーを皮切りに3、4番でもバーディーをマーク、トップを走るジム・ソープをあっさり逆転しました。インに入ってからもバーディー攻勢は衰えず12、13、16、17番のバーディーでジョン・ジェイコブス、ヘール・アーウィンらに付け入る隙を与えず、通算15アンダー、201で見事な逆転勝利を飾り、優勝賞金225、000ドル(約2、900万円)を獲得しました。59歳を過ぎて米シニアツアーに優勝したのは、青木で17人目となります。
 米国のメディアは、韓国人として初めて米ツアー優勝を飾った崔京周に始まり、翌週のバイロン・ネルソン・クラシックで逃げ切り勝ちした丸山茂樹、さらに青木功と続いたアジア勢の優勝を“吹き荒れるアジア旋風”という表現で伝え、常に笑顔を絶やさない丸山の優勝については”微笑の刺客(Smilin’ Assassin)トーナメントを制覇“というセンセーショナルな見出しで、アジア勢の活躍ぶりを報道していました。
 通訳を通して行われた青木の優勝インタビューは、こんな談話となって世界中に報じられました。
「勝つことを目標にいつも練習している。しかし、この大会でそうなるとは思いもしなかった。いい選手がたくさん出場していたからね。しかし、何人かいい選手が欠場していたので、それで優勝できたのだと思う。これまでずうっとクラブはよく振れていて、ショットは良かったが、パッティングに問題があった。しかし、今週はそのパッティングが非常に良かった」
 これで青木の優勝回数は、国内外を含め75勝(国内56勝、国内シニア6勝、海外4勝、海外シニア9勝)となりました。
2連覇・海老原、優勝賞金の一部を地元の子供たちのためにチャリティー
 昨年、日本人として初めて欧州シニアツアーのチャンピオンに輝き、2年連続欧州シニアのシード権を獲得した海老原清治は、今年も5月17〜19日までアイルランドのカウンティライムリックにあるアダールマナー・ホテル&ゴルフリゾートで行われたアイルランド
・シニアオープンにディフェンディング・チャンピオンとして出場、強風の中2アンダー70をマーク、通算8アンダー、208で逆転勝ちしました。同大会の2連覇は初めてのことです。
 前日までトップのマイク・ミラー(スコットランド)に1打差2位でスタートした海老原は、4番のバーディーでトップに並び、6番でミラーがトリプルボギーを叩いたため単独首位に立ちました。11番のバーディーでリードは2ストロークに開きましたが、13、14番でその”貯金“をはきだし、連覇に”黄信号“がつきましたが、上がり3ホール(16、18番)で2バーディーを決め、追いすがるイングランドのデニス・ダーニアンを突き放し2連覇を達成しました。
 優勝した海老原は優勝賞金46、500ユーロのなかから10、000ユーロを地元の子供たちのチャリティー基金に寄付することを発表し、優勝の喜びをこう語っています。
「この優勝は私にとって大きな意味を持つものになりました。パワースコートで行われた昨年の大会で勝ったときも嬉しかったのですが、今回は2年連続ですからそれ以上のものがあります。私はこのアイルランドが大好きです。人々は皆温かく、非常に親切にしていただいています。地元の子供たちに優勝賞金のなかから1万ユーロをチャリティーしようと思ったのも、そうした皆さんのためになにか報いたかったからです。でも、これは自分ができるほんのわずかなことにすぎないと思っています」
 海老原はこの3週間後、6月6〜9日まで米国オハイオ州アクロンのファイアストーン・カントリークラブで行われた全米プロシニア選手権でも大活躍、最終日にハーフ27というレギュラー、シニア両ツアーあわせての”世界タイ記録“をマークしました。
 最終日66位でスタートした海老原は、1番から7番まで7連続バーディーをマーク、8番で連続バーディーは途切れたものの9番ではまた3メートルを決めてハーフ27という”世界タイ記録“をマークしました。後半のインコースではその勢いもストップしてノーバーディー、3ボギーとスコアを伸ばすことはできませんでしたが、5アンダー65、通算8オーバー288で48人抜き、参加日本選手中最高の18位に入りました。
 日本からは青木功、高橋勝成、須貝昇、萩原安造、佐野修一も参加、高橋は51位、須貝は60位に入りましたが、青木、萩原、佐野は予選落ちでした。
シニアの初代選手会長・鷹巣、”有言実行“の開幕戦制覇
 “青木ファミリー大活躍”の締めくくりは鷹巣南雄のシニア入り10年目で手にした初優勝です。5月24〜26日まで愛知県・キャッスルヒルCCで行われたPGAシニアツアーの02年度開幕戦、キャッスルヒルオープンで鷹巣は松井利樹、松本紀彦をプレーオフでくだし念願のシニア初優勝を飾りました。
 2日目、ベストスコアの5アンダー67をマークしてトップに立った鷹巣は、最終日に松本、松井の追い上げで一時はトップから脱落しましたが、1アンダー71、通算4アンダー212と粘って松本、松井と並びプレーオフとなりました。プレーオフ4ホール目で松本が脱落したあと、5ホール目に鷹巣がバーディーを決めてPGAシニアツアーの開幕戦に相応しい大熱戦に決着をつけました。
 93年にシニア入りして以来何度もチャンスがありながら、どうしても優勝できなかった鷹巣にとって、優勝は85年の富山県オープン以来実に17年ぶりのことですが、その優勝の喜びをこう語っていました。
「優勝は20年以上も前かな‥‥、試合の名前ももうはっきり覚えていないくらいだ。今週は全体的にショットが良かったので、パット次第でいい勝負ができると思っていた。14番でバーディーを取って勝てそうなムードだったが、次の15番でボギー。自分から優勝の芽を摘んだような気がして、諦めていたが、いろいろなラッキーが重なって優勝できたと思う。シニアツアーの初代選手会長になって、皆を引っ張っていかなければならない立場になったので、自分の言うことを聞いてもらうためにも、この優勝は“有言実行”という意味で良かったと思う。ファン、メディア、大会主催者‥‥皆に協力してもらってシニアツアーを盛り上げていきたい」
 レギュラー時代も選手会長として手腕を発揮してきた鷹巣は、シニアでも初代の選手会長に選ばれて、シニアツアーをなんとか盛んにしようと張り切っていますが、今回のシニア初優勝はそうした思いをさらにヒートアップさせる起爆剤になるかもしれません。