PGA REPORT 109
PGA REPORT109 2012/12 No.109

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 佐藤英之会員は2012年の7月に、烏山城カントリークラブの支配人に就任しました。同コースは、2006年から6年間、プロゴルファーの菊池政男会員が支配人を務めてきましたが、定年で退任しました。
 オーナーの意向で「後任の支配人もプロゴルファーにしたい」ということから、佐藤英之会員に白羽の矢がたちました。
 日々忙しく過ごされている佐藤会員に、支配人としての取り組みなどを聞きました。

☆   ☆   ☆
――まずは佐藤支配人の、経歴からお聞かせください。
佐藤 大学卒業後、プロを目指して東名カントリークラブに研修生として入り、プロテストに合格しました。
 東名カントリークラブには、プロ入り後3年ほど所属し、その後ユーアイゴルフクラブ(栃木県)に所属先を変え、同時に住まいも栃木県に移しました。
 そして40歳まで、レギュラーツアーでトーナメントプロとして活動していました。
――烏山城カントリークラブの支配人になられたいきさつをお聞かせください。
佐藤 前任の菊池支配人の退任に伴い、後任として声をかけていただきました。
 菊池支配人がプロゴルファーの支配人として成功を収められたことから、次の支配人もプロゴルファーにしたいという意向のようでした。
 そして2012年の6月にオーナーと面談を行い、その翌月の7月に就任しました。
――佐藤支配人は以前もゴルフ場の支配人の経験がありますね。
佐藤 はい。2002年から2年間、太平洋クラブ益子コースの支配人を務めました。その経験があったことも、今回声をかけていただいた一因と考えています。
――太平洋クラブ益子コースの支配人時代について、もう少し詳しくお聞かせください。
佐藤 太平洋クラブは全国各地にゴルフ場を運営していますが、「その中の2〜3コースにプロゴルファーの支配人を置きたい」という意向から、私に声がかかりました。
 当時私は42歳でしたが、主戦場としていたレギュラーツアーでシードに落ちて試合に出られなくなっていたときでした。そういう時ですから「ちょうど良い機会だから、ほかの世界も経験してみよう」と思い、お引き受けしました。
――初めての支配人業は、いろいろご苦労されたのでは?
佐藤 はい。それまで一度も会社員を経験したことがありませんでしたから、就任当初は大いに戸惑いましたね。いろいろな失敗もしました…。ただ、失敗から学ぶことというのは後々役立つことが多く、その経験が今回支配人業を行うにあたり大いに役立っています。
――具体的にどのような点が、今に生きていますか。
佐藤 いろいろありますが、一番役立っていることは、人との接し方を学んだことですね。人といかに上手く接するかは、マネージメントを行う上でとても大切なことです。
 トーナメントに出ていた頃は、自分から積極的に人に接することはありませんでした。人との接触を避けようと思えば避けられる立場にいましたから。
 しかし支配人となるとそうはいきません。従業員に対してもお客様に対しても、自分から積極的に話かけていかなければいけません。そうしないとコミュニケーションがうまく取れません。
 コミュニケーションが取れないと、マネージメントは上手くいきませんから。
 さらに「お客様の目線で話をする」ことの重要性も学びました。プロゴルファーはややもすれば、上から目線でものを言いがちですが、それでは上手くいきません。お客様の目線で接することが大切なんですね。
――ところで、プロゴルファーがゴルフ場の支配人になることで、どのようなメリットがあると考えていますか。
佐藤 一番大きいのは、お客さんと突っ込んだゴルフの話ができるということですね。プロという立場があるとお客さんにも一目置いていただけますし、話を真摯に聞いていただけます。
――烏山城カントリークラブはゴルフ場だけでなく、ホテルなど付帯設備も充実していますね。
佐藤 はい。ホテル、温泉、食事処が敷地内にあります。ホテルはクラブハウスに隣接しており、プレーする方ばかりでなくビジネス&観光ホテルとして利用する方も多くいらっしゃいます。
 温泉施設はコースへのアクセス道路の途中にあるのですが、日帰り入浴も受け付けており、地元の方が多くいらっしゃいます。食事処としては、焼肉レストランの「山粋」と古民家を移築した和食処「臥龍閣」があり、両店とも本格的な味が評判を呼んでいます。
 また付属のゴルフ練習場も独立して営業しており、練習のみで訪れるゴルファーも多いですね。
――佐藤支配人は、ゴルフ場だけでなく、ホテルや温泉などの付帯設備の支配人も兼ねているのですか。
佐藤 そうです。トータルの支配人という位置づけです。ただ、それぞれの部署にはヘッドがおりますので、各部門の運営はそれぞれのヘッドに任せています。
 私が下手に口を出すよりも、任せるところは任せたほうが上手くいきます。そのほうが、スタッフのやる気も引き出せます。
――支配人として具体的にどのような業務を行うのか、簡単に教えてください。
佐藤 出勤時間は7時前後です。すぐにお客様のスタートとなりますので、皆さんのスタートを見送ったりします。
 中には私の顔を知っている方もおり「佐藤プロですか?」と声をかけていただくこともあります。そういう時は「(私を知っているなんて)マニアックですね」と冗談を言ってその場を和ませたりします。
 ハーフターンやホールアウトの時も、できるだけお客さんをお迎えして、気持ち良い雰囲気でプレーしていただけるよう心掛けています。
 また競技を行う時にはアテストを手伝ったり、表彰式のプレゼンターをします。そのほかに事務作業もいろいろありますので、退出するのは毎日19時前後です。
 また土日は東京からオーナーがいらっしゃるので、さまざまな懸案事項の会議などを土日に集中して行います。
――烏山城カントリークラブは、2012年の日本プロ日清カップの会場でしたが、営業面の効果は表れていますか。
佐藤 ハッキリ表れています。やはり大きな大会を行うと違いますね。
 烏山城カントリークラブはコース的には素晴らしいコースなのですが、高速道路のインターチェンジから距離があるため、集客という点では大きなハンデを背負っています。
 しかし日本プロ日清カップを開催することで知名度が一気に広がり、多くのお客様がご来場して下さるようになりました。特にトーナメントを行った本丸コースと三の丸コースの人気が高く、この組み合わせで回りたいというお客様が多いですね。
――今後はどのような点に力を入れていきたいですか。
佐藤 さまざまな競技性のあるイベントを、今以上に積極的に行っていきたいと考えています。
 当コースはアスリート系のコースですし、ご来場のお客様も競技志向の方が多いようです。競技性のあるイベントを増やすことで、多くの方に満足していただけるプレーを実現できると考えています。
 またお客様に対するプロのレッスンも充実していきたいですね。さらに、将来的には再びプロの試合もできたらいいなと考えています。
――佐藤支配人は、今後もシニアツアーに出場なさるのですか?
佐藤 やはりプロである限り、試合に出たい願望はあります。
 会社側からも「試合に出ても良い」という許可は得ています。ただ2012年は支配人に就任したばかりでしたので、支配人業に専念することにし、シニアトーナメントには参加しませんでした。
 2013年はオフに体をしっかり作り、できる限り参戦したいと考えています。


烏山城カントリークラブ
●所在地/栃木県那須烏山市大桶2401
●TEL 0287-83-1100
●コースホームページアドレス/http://www.karasuyamajo.com/
●コース特徴――2012年「日本プロ日清カップ」開催コース。トーナメント開催にあたりコースを大幅改良。より戦略性の高いコースとして生まれ変わった。同コースでの「日本プロゴルフ選手権大会」開催は1989年に続き2回目。「1回目が開催されたときはまだ2グリーンでしたが、今回は1グリーンでの開催となりました」(佐藤プロ)。コースは、@本丸コース(9ホール)、A二の丸コース(同)、B三の丸コース(同)の計27ホールから成る。「日本プロ日清カップ」では、本丸コースと三の丸コースを使用。コース設計は、名匠・井上誠一氏。
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