PGA REPORT 101
PGA REPORT101 2010/3 No.101

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校庭にわき起こった278人の歓声
ジュニア育成プロジェクトスタートから卒業まで

 

 プロゴルファーがついに学校でゴルフを教え始めた。ゴルフの五輪実施が決まった2009年はPGAにとっても新しい幕開けの年。「PGAジュニアゴルファー育成プロジェクト」が五輪決定に先立つ5月、全国展開の第一歩を岐阜と群馬でスタートした。両県の教育委員会とともに3小学校と“連携”し、小学校の授業の一環として校庭でゴルフを教え、その後ラウンド体験までを行った。心身ともに健康な子供たちの成長はみんなの願い。ルールを自己規制しマナーを身につけた明るい子供に夢と希望を託したプロジェクトは今後、全国で行われる。

岐阜と群馬の計3小学校でスタートした活動内容は別表(21ページ)のとおり。3校からは計278人の子供が校庭での第1ステップとなるスナッグゴルフに参加、最終的には54人がコースでのラウンドまでを体験した。

☆   ☆   ☆
●県教育委員会も賛同
 岐阜の古田知事とPGA松井会長が顔見知りでマナー、ルールを自己規制するゴルフが教育に最適、と意見の一致を見たのがきっかけ。県の教育委員会が動きトップダウンでゴルフの学校での実施が実現した。PGAはここで誕生したゴルファーを地域のプロ育成プロジェクトなどに吸収、ジュニア育成につなげる構想だ。
 講習の流れは以下のとおり。
 第1ステップは小学校の授業時間中に校庭でスナッグゴルフを行った。アメリカ生まれの初心者用のゴルフ器具で、ボールはテニスボールくらいの大きさ、重さはゴルフボールと同じになっている。なによりもゲーム性が高くゴルフ体験した子供の驚きと歓声が学校中に沸き起こった。
 “ゴルフの先生”は地元のジュニア育成スタッフを務めるプロゴルファーたち。しかし、学校に入るのは卒業以来という環境の変化に戸惑ったのはいうまでもなかった。スナッグゴルフとはいえ長いクラブを振り100ヤードは飛ぶボールに夢中になる子供たちに怪我があってはならない。事前に教え方や子供への接し方、注意点を講習会を開き準備した。学校の先生とプロが連携しながら教えた。見守る関係者、父兄たち、これまでになかった新しいシーンに誰もがかたずを飲み、やがて表情は明るく変わった。学校側もむろん初体験、ゴルフを知らない担任の先生方もその点では子供と同じだった。誰にとっても新鮮な出来事となった。
 第2ステップはコースに出かけた。岐阜・岐阜関カントリー、群馬・下秋間CC。スナッグゴルフを芝の上でラウンド、練習場で本当のクラブでボールを打ち練習グリーンでパット体験。もう子どもたちはいっぱしのゴルファー。「いしかわ、りょう〜」とガッツポーズがでた。第3ステップもコースで練習のあとバンカー体験など。そして第4ステップではついにラウンドを行った。「よろしくお願いしま〜す」
 同じ組のプレーヤーに大声であいさつしティーショット。セカンドからはみんなで相談、一番いい場所を選ぶスクランブル方式で打った。最後はパットでカップがコロン、と音を立てるところまでひとりひとりがホールアウト。初ラウンドは2ホールから3ホール。1時間半タップリかけて行われた。

●輝くちびっ子ゴルファーの瞳
 子供たちは一様にゴルフの面白さに目を見張った。講習は第1回が春、2回目が夏、3回目が秋と休みに限られた。最終回はインフルエンザの影響で年内に行えず2010年1月までずれ込むなどスタートしてほぼ10か月かかった。校庭に集まった278人のうち最後までのこったのは54人。子どもたちは部の活動もあるからスケジュールが合わないと次に進めず参加者が徐々に減ったのは仕方ないだろう。だが、約5分の一がゴルファーとなった。
 子供たちを励まし、昼休みにスナッグゴルフの練習を続けた学校の先生方の指導、努力、送り迎えの父兄、教育委員会の柔軟な対応、すべてが子供たちにむかった。熱意と夢がなかったらこれほど多くの新しいゴルファーが誕生したかどうか。プロジェクト初年度、PGAと学校が初めて手を組んだプロジェクトは成功への道を歩み始めた。
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