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──初の冠大会をどう受け止めていますか?
前田 将来的なスポンサーとの関係が強化されました。初めて長期のスポンサーがついたということが一番大きいと思います。3年契約の1年目。僕らも初めてならスポンサーも初の試みで刺激がある。日清さんに恥をかかさないというようなことを考えないといけないという気持ちがあります。ディレクターとか競技委員、運営会社のみんなの力が一枚岩にならないといけませんね。
さらに2年目、3年目のことも視野に入れた取り組みも大事。コース選び、コンセプト、トーナメントの質といったことをスポンサーと一緒に追求することになり身が引き締まります。
千葉 日本プロはこうじゃないといけないというものを一緒に追求することだと思います。ディレクターや競技委員会ら現場では、今まで培ったメジャーの経験を生かすことが、スポンサーへの責務と考えたい。トーナメントディレクターとしては冠になっていただいた企業のモラルアップにつなげ、ギャラリーのサービス面、大会の質向上などにつなげたい。
山本 メジャーがチェンジしていくことになりましたが、メジャーとしてもっと質をあげたい。ワンウエースタートでやるとか、欧米のいいところを取り入れた大会にしないといけないと思います。
──プロアマ競技を行いますね。55回大会に次いで二度目ですが、その一環ですか?
前田 そうです。火曜日にアマと選手が一体となって交流します。水曜日には写真もサインもOKのファン感謝デーとして思いっきり解放する一日にします。これまでメジャーにこだわってとことん競技志向だったが、時代も変わったし白黒写真をカラーに色づけしようという変革です。
プロアマはこれまでメジャーだからやらなかったが、スポンサーが喜ぶなら、ファンも含めたメジャーのもう一つの面としてやります。去年マスターズに行って、本当に素晴しいものをみた。大会前日にパー3コンテストがあって、その日はファンサービスで選手は徹底的にファンと交流する。サインOK、写真を撮るのもOK、そんな1日でした。ずーっとサインしているスター選手を見てあれが本当のサービスだ、そう思いました。だから今回はPGAから提案しました。
千葉 昨年日本ツアーでは試合中にフラッシュをたくギャラリーが出て問題になった。しかし、マナー違反だと言いますが、ファンにそのことを教えもしないで違反も何もないわけです。アマへの対応、ギャラリーサービスとはそこまで踏み込んで理解してもらういい時期ではないでしょうか。
フィールド内はもう競技委員長に任せますからね。僕らはその外の、例えばギャラリーが沢山きてトイレが足りなかったとか、それからそこで働いてる人達の弁当が全部に配られなかったとか、そういった部分をしっかりまとめていきたいです。
山本 みんなサイン帳もって、待っていて選手は赤、青といろんな色のサインペンを持ってサインする。すると選手が、こっち来て一緒に写真撮ろうとギャラリーにいうほほえましいシーンを私も見た。そうやってはけ口を作ることが大切なんだと思いました。
外国では試合になるとギャラリーがびしっとする。アドレスに入るとシーンとなる、走ってはいけないといわれているから走らない。それはもともとギャラリーがマナーをわかってるからだと思っていたが、違うんですね。向こうではギャラリー教育をチャンとやっていたんだと思った。
高難度のコースを
誰がどう攻略するか──
千葉 感謝デーはトーナメントウイークの水曜日。PGAが率先垂範し選手にも頑張ってもらいます。そのかわり試合に入ったら今度はギャラリーが率先垂範して、ゴルフを知らない人が写真撮ったらそれはだめなんだよ、と注意するような世界にしたいと思います。
──コースの感想を聞かせてください。
千葉 テレビを見た人は必ず行くでしょうね。日本の2400あるコースのうち600位見ていますが、パサージュ琴海のような美しい地形は見たことがありません。海と空とコースだけといったパノラマゴルフ場。
前田 この土地にコース作ろうって人がいた、すごいです。ホールの両側が海なんてところ他にありますか?
山本 高低差8メートル。アップダウンはなくグリーンは大きい。やっぱりこのコースはグリーンです。並みでないグリーン形状でカップを切る面がいっぱいあるんです。スキーのモーグルのもう少し平らなといったらいいのか。いいショットじゃないとバーディをとれない、ミスするとスリーパットです。
千葉 グリーンを蓮の葉っぱの池に例えると丸い葉っぱがあちこちに浮いていて、その間は全部アンジュレーションという感じ。選手は葉の上に乗せるのに大変な努力をしないといけません。
山本 芝種はペンクロス。この時期どのコースでもべたっとして困っているだろうが、ここは砂を入れ手をかけ最高にできている。上質の芝は葉先が立つから短く刈ることができ、速いグリーンを作るのに最適です。ボールが横揺れしないからいいストロークには必ずいい見返りがあります。
──5月開催の大会は芝も生えそろわず、コースメンテは秋と違ってきます。どう解決してますか?
山本 芝が伸びないというが、一、二年前から準備すれば延びます。刈り止めといって芝先を長く残して刈っていくことを繰り返すとしっかりしたラフになります。冠がつき開催コースも4年先まで候補が上がっていますのでこれから先は楽しみ。むろん今回もラフの長さは十分です。パー5をパー4に使うタフなホール(1番、15番)もあるしワンオン可能なパー4(2番)もある。フェアウエーを絞る(狭くする)だけでスコアは変わってくる。短いホールはフェアウエーを絞り選手にプレッシャーをかけたりします。
千葉 アイアンの溝規制がありますでしょ? メジャー1戦目で本当に選手がなじんでいるかどうか。フェアウエーとラフでは明らかにボールの止まり方が違う上、メジャーのプレッシャーがかかると試行錯誤が必ず起こります。興味深いです。
──春はスコアがよくなる、そんな傾向があると思いますがどうですか?
前田 日本プロのスコアは、総じてよくないと思います。昨年の池田は14アンダー(恵庭)ですが、2位に7打差。03年の片山晋呉は史上最多の23アンダー(群馬・レイサムG&スパリゾート)で2位に5打とぶっちぎった。コースが優しすぎたのではないかと報道陣に怒られたけど最後言いました、あれは池田と片山がうまかったんだ(笑)。
──日本プロのコンセプトをきかせてください。
山本 日本で一番強いプロを出すためのセッティングです。もう十七、八年やってきてますが、4日間、難度の一番難しいところからカップを切っていく。どんなに難度の高いグリーであってもラフがきつくてもグリーンには平らな面がある。平らな所にちゃんと打ってください、と私たちは言ってあるのだからそこに打ってバーディを取ってほしい。それをした人が真の日本一であると。
千葉 山本さんら専門競技委員は18ホールを3つに分け難易度を3段階にしています。その起承転結を背景にグリーンを6分割くらいにしその中にも難易度のランクがある。そこに展開、天気などが加味されるから推理小説を書くような作業なわけです。
──古い話になりますが、1984年に前田さんは太平洋マスターズなどに優勝し賞金王となりましたが、あのころから日本もグリーンが速くなりましたね。
前田 そうですね(笑)。それまでは青木功さんが強く打ってもちょうどよかったのが、グリーンを出て行くようになった。外国からいっぱい米ツアーの選手が来てグリーンが硬く速く、まったく勘が狂ったものです。太平洋だけでなく、そんな試合を見ると日本の競技委員が、負けるもんか、とやるからどの試合もアメリカの試合みたいになった。
──で、そういうとき選手たちは委員に文句をいうのですか?
前田 言いません。セッティングされここでプレーしてみなさいと言われている。優勝するために頑張るだけですから。
──いや、このごろピン位置がおかしいとか、常識はずれとかいう声が選手間からあるものですから、時代がかわったな、と。
前田 食事のときに話題として話してもディレクターに何か言うことはなかった。与えらた場所で頑張らなくちゃいけない。今の若い選手はそんなこと言わない、失敗するのは自分が悪いとわかっています。
──池田と石川遼がアメリカで頑張って収穫を得て帰国、力をつけています。2連覇がかかる池田を最初にゴルフを指導した千葉先生はどう思いますか?
千葉 球筋をドローからフェードに変え成功しています。かつて青木さんは尾崎が出てきてフェアウェーから打ちたいということでフェードに変えたましたね。池田も全米学生や日米対抗などアマ時代にもまれ中学以来のバナナボール(強いフック)を変えました。パットの決断が早いので良いか悪いかのどっちか、ハッキリした成績になりそうですね。
前田 池田と石川を比べると勇太の方が渋い、頭脳的で戦略がある。遼君の場合はただ飛んだらいい、行かなかったらまた勝負みたいな感じだけど、それがいいんだ。
ミスしたら普通は気持ちがなえたり弱気になったりするが、それでも負けない。二人とも自分のゴルフというものを貫いている。片山、それに丸山茂樹も調子がでてきているし若手を走らせたらだめです。中堅、ベテランにも勝ってほしいです。
山本 溝の規制もあり飛んだほうが勝ちというのが変わってくるのかな? トーナメントではのびのびやれたり悩んだりする試合があるわけでしょう? ジャンパンプロだけはそんなのと違うんです。ジャパンプロだけはずーっと苦しんでもらう。日本でナンバーワンのプロを作る試合だから耐えてくださいというコースにしたい。きつかったけど必死にやれた、という試合にしたいです。
(司会・武藤一彦)
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