今年のプロテスト合格者50名を対象とした「入会セミナー」が、12月10日から14日の5日間、東京の世界貿易センタービルにて行われた。14日の最終日にはPGA倉本会長から新人会員へ認定証が手渡され、今後の活躍に向けてエールを送った。新人会員は、20、21日の2日間、房総カントリークラブで行われる新人戦に出場し、2019年1月1日付けでPGA会員としてのスタートを切ることになる。

入会セミナー

入会セミナーでは、全講義18科目に加え、面接、筆記試験と朝9時から夕方の7時まで、5日間に詰め込み、プロに必要な講座を用意。その講義内容の中には、来年より改正されるゴルフルールに関する講義に始まり、接客作法や、ゴルフの歴史、心理学、コース管理、さらにSNSの利用法などがある。その一連のセミナーを通じ、プロゴルファーとしての新たな知識を身に付ける。


 授与式では、倉本会長よりメッセージが贈られました。「入会、おめでとうございます。みなさん夢を抱いて、これから我々の仲間になるわけですが、明るい未来ばかりではないという現実もあります。これからは、しっかりとゴルフを教える技術も身に着けてほしいのです。プロに教わりたいと思っているアマチュアゴルファーが、大勢いらっしゃいます。トーナメントにでる夢も大切にしながら、きちんと接客ができるプロになってください。みなさんには、輝かしい未来が待っています」と、励ましの言葉が向けられました。


 これからはPGAという看板を背負った、新しい人生がスタートする。今後、さらに研鑽を積み重ね、プロフェッショナル・ゴルファーとして活躍することを期待している。




入会セミナー
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◆ 新人トーナメントプレーヤー会員 合格の声◆

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上岡 信晴 (24歳・賀茂カントリークラブ)


 小学生のときに、練習場のとなりに引っ越しをしたのがきっかけで、ゴルフを始めました。練習場でクラブを貸してもらい、遠くへボールを飛ばすことが、とても面白かったんですね。実はゴルフを始めて1年経ったときに、自分の体でインスリンが作ることができない1型糖尿病に罹ってしまったのです。だからといって、食事や運動が制限されるわけでもないのですが、原因不明の難病ということもあり、自分の体としっかり向き合わなければならなくなりました。それでも、夢中で始めたゴルフだけは続けていました。


 私は野球観戦が趣味なのですが、中学2年の時に、阪神タイガースの岩田稔選手が同じ1型糖尿病を持ちながら、アスリートとして戦い続けていることを知りました。インスリン注射を打ちながら、プロとして活躍されていることに、すごく勇気付けられたんです。だったら、僕も好きなスポーツを極めよう、そして同じ病気を抱えている人に勇気を与えられたらと、プロを目指すことにしました。


 至誠館大学ゴルフ部では、張本茂プロ監督の下で、数々の試合経験も積みましたし、多くのことを教えていただきました。大学卒業後は、賀茂カントリークラブの加藤公徳プロにお世話になり、2回目の受験で、プロテストに合格することができました。周囲の理解があってこそ続けられたことですから、みなさんには感謝しています。


 来年はゴルフルールも大きく変わりますし、聞かれたときにはしっかり対応できるように、今回の講義で教えていただいたことも参考にしながら準備しないとなりませんね。当面はツアー出場と優勝を目指して、QTを頑張ろうと思います。一方で、阪神・岩田選手のように、病気にも負けずに活躍できる姿を伝えたい。それが、自分が感じたように、誰かの勇気になるかもしれませんから。




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藤田 雄紀 (28歳・太平洋クラブ成田コース)


 「ゴルフはいい社会勉強になるよ」と親に言われて始めたのがきっかけでした。広陵高等学校のゴルフ部に入りましたが、ゴルフのレベルが高くて、ついていくのがやっとでした。そんな中で、顧問の吉川先生には、色々な考え方を教えていただきました。厳しい先生でしたが、あれほど親身になって怒ってくれた人はいないと、今になって感謝の気持ちで一杯になります。高校時代のゴルフとの出会いが、私の原点になっています。


 その後、中央学院大学のゴルフ部に入りましたが、上手な人たちが多かったこともあり、レギュラーメンバー入りは叶いませんでした。その時の悔しい気持ちが「絶対にプロになる」という、卒業後の原動力ではありましたが、仕事とゴルフの両立に葛藤もありました。そんな時に、岩男プロが相談に乗ってくれて「30歳になるまでにテストに合格する!」と、覚悟を決めたのです。


 所属の太平洋クラブ成田コースで仕事をさせてもらいながら、必死で練習。「今年だめだったら、もうゴルフはしない」と決めていました。だからこそ、今年の最終プロテストで、ようやく合格ラインに入れたのだと思います。大学でレギュラーメンバーを経験せずに合格できたという、大きな自信になりました。

 
 吉川先生は「自分ひとりでは、ゴルフはできない。感謝しなさい」ということをよくおっしゃってくれました。プロテストに合格して、改めてたくさんの人に助けられたと感じています。今は、ようやくスタートラインに立っただけで、まだ実力は足りませんが、年齢を重ねていっても、息長くツアーで活躍できるようなプロを目指します。




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岩ア 潤也 (29歳・京和カントリークラブ)


 ゴルフは高校1年のときに、父と練習場に行ってから始めました。ゴルフに夢中になり、高校3年では、東北ジュニア選手権で上位に入るまでに。その後は、セレクションしていただいた名古屋商科大学に入り、ゴルフ部で腕を磨くことになりました。地元の岩手県アマチュアゴルフ選手権では優勝(2010年)も飾ることができ、そのときからプロの道を意識したように覚えています。


 2011年3月11日は、大学も春休みだったので、地元岩手三陸に帰省し、弟の成(じょう)と一緒に、ゴルフを楽しんでいたんですが、プレー中に巨大地震がきました。直後に「これはやばい、何か大きなことになる」と感じ、とっさに弟と家に戻ることに。帰路では、弟の一瞬の判断で、裏道を選んだことで、津波に襲われなかったことは奇跡でした。三陸地方は地震と津波の被害を受け、復興までに時間を要しました。だから地元に残る選択もありましたが、父が「学業はしっかりつづけなさい」と、背中を押してくれて、大学生活を最後まで全うすることができました。卒業後は、弟と同じ京和カントリークラブでお世話になり、プロゴルファーという夢に挑戦し続けることになったのです。


 偶然にも、弟が今年ティーチングプロB級の受講を終えたので、兄弟で同時にPGA入会することになりました。ゴルフを教えてくれた父には、息子たちより「岩手県出身のプロゴルファー誕生」と、うれしい報告ができたのかなと思っています。


 これからは、岩手県でジュニアの数を増やして、ゴルフで被災地を元気にしたい。僕自身も、岩手出身のプロゴルファーとして、いい結果を残せるように頑張ります。