武藤一彦氏

本年度より日本プロゴルフ協会理事を務めておられます武藤一彦氏(元報知新聞)によるトーナメント観戦記をご紹介いたします。今回は5月16〜17日に開催されました「青木日野レジェンド」に関する観戦記です。

ゴルファーたちが勇気をまとった



青木日野レジェンド

青木功、石川遼らトッププロゴルファーと著名人、腕に覚えのある一般アマら計124人が、チャリティーによる社会貢献を前面に、2日間にわたってプロアマトーナメントを開催した。大会は大成功だった。

競技はトッププロ一人に著名人、一般アマが4人1組でラウンドし、アマはプロとのベストスコア採用方式。1日目が終わると最終日は成績順で組み合わせがかわる意外性もあるという、米シニアのチャンピオンツアーでの方式を取り入れた。さらに最終的には個々のスコアがでるため全員最後まで必死でスコアメイクに真剣勝負となった。むろんプロは2日間36ホールのトータルスコアの争い。その真剣さは一緒に回るアマに適度のプレッシャーとなり、和やかな中にもピリリとした緊張感があって、選手・ギャラリーをともに飽きさせなかった。


プロの部は遼に始り遼に終わった。

青木日野レジェンド


第1日、俳優の舘ひろしと同組の石川は、いきなりティーショットをOB、しかし、その後、9バーディーをもぎ取るコースレコードの64でトップ。ところが、最終日は手嶋多一の急追に最終ホールまで1打リードを許す展開、しかし、最終ロングホールを2オン、プレーオフ確実か、と思わせたものの、その直後、80センチのバーディーパットをカップにあてながら外した。1打及ばず天をあおぐ人気者の一人舞台、コースは沸いた。


そのあとの言葉もさすがだった。「最後のパットもそうですが、もったいないショットがあるのがゴルフ、限られた選手しか出場できない大会でいい経験ができた。うれしい結果です」


言行一致の石川の好感度がやはり際立った。初日一緒に回った舘さんは「すべての対応がすがすがしい。聞いていた以上の好青年」最終日のパートナー、山本浩二・元広島カープ監督は「スポーツは努力の積み重ねだが、17歳という若さですべてに努力の痕跡がみえる。すごいスポーツマンだ」といった。


青木功とミュージシャンの日野皓正が発案、片山晋呉、高橋勝成、中島常幸、深堀圭一郎らトッププロ31人が賛同、これに芸能、スポーツ界から郷ひろみ、佐藤浩一、野口五郎、栗田貫一、プロ野球の王貞治、佐々木主浩らがはせ参じた豪華な顔ぶれに、週末の悪天候にも関わらずギャラリーは約4000人、入場料収入、チャリティーオークションなどで集まったチャリティー基金は1200万円。



青木日野レジェンド


“言い出しっぺ”の青木は「いいことやると気持ちがいいね」−世界的トランペッターの日野さんも「来年は第1ラウンドのあとここでコンサート開くからね」と“約束”した。

「09年青木功 日野皓正 フィールズ ザ・レジェンド チャリティ プロアマトーナメント」。日本プロゴルフ協会(PGA)と男子ツアー開催の日本ゴルフツアーも特別後援した。

松井功・PGA会長。「チャリティーによる社会貢献を前面にゴルフが役に立てた。この認識をわたしたちゴルファーが確認できた。そして勇気を得た」
米男子ツアーおよびシニアのチャンピオンツアーではこうしたプロアマトーナメントは公認ゲームとしてすでにある。


当然のことながら近い将来、日本のトーナメントにもその実現が待たれる。
しかし、急ぐまい。大会はそのスタートラインに立ったばかりだ。「今後が楽しみだね」とだれもがこの日、笑顔をいっぱいにした。ゴルファーのなすべきことを体感、大会を大切に育て見守っていこうと決めた日。じっくりやっていこうと決意したことが貴重だった1日だ。


武藤一彦(日本プロゴルフ協会理事)

青木日野レジェンド
青木日野レジェンド
青木日野レジェンド